仕事は一つに絞るな AI時代を生き抜くための「50分割」の働き方

かつては、就職して一つの仕事を極めることが「正解」とされていた時代があった。だが今、社会構造は大きく変わりつつある。特にAIやプラットフォーマーの台頭により、個人の職業的安定は大きく揺らぎ始めている。

これからの時代、「たった一つの仕事で食っていく」という前提自体がリスクになりつつある。では、どう生きるべきなのか?

有識者の岡田斗司夫氏はこう語る。「仕事は分散しろ。そして、それぞれの役割と意味を自分で定義せよ」と。

仕事は「金」と「やりがい」に分けて考えろ

働く目的には、収入や自己実現、承認欲求、成長、暇つぶしなど複数の要素がある。これらすべてをたった一つの仕事に求めると、必ずどこかで歪みが生じる。

そこで提案されるのが、以下のような仕事のカテゴリ分けだ。

  • 月3万円稼げる仕事:生活の糧になる
  • 月1万円以下の仕事:小遣いレベルのサブ収入
  • 無償でやっている活動:趣味、自己表現、学び
  • マイナスになる仕事:出費があるが幸福感をもたらすもの(例:ボランティア、推し活、育児)

例えば、キャバクラで女の子を笑わせるために金を払って尽くす行為も、構造的には「お金を払って行うマイナスの仕事」と言える。だが、それが自分にとって喜びや癒しになっているなら、それも立派な営みの一つだ。

なぜ一つの仕事に依存すると危険なのか

時代は、突然仕事を消滅させる。

ある日、Googleが自分の業界に参入してきて、無料サービスを始めたとする。それだけで仕事のパイは一気に1割以下にまで縮小する。これは不動産、人材派遣、医療、制作、教育、すべてに起こりうる話だ。

「一つの仕事に全振りする」生き方は、安定ではなく、爆死リスクの抱え込みになっている。

推奨されるのは「月3万円ビジネス」の複数持ち

提案されていたのは、以下のような働き方だ。

  • 月3万円の仕事を10個
  • 月1万円以下の仕事を10個
  • 無償でやる活動を20個
  • マイナスの仕事(出費があるが楽しい)を10個

これらを合計50個の仕事や活動に分散することで、どれかが突然消えても生活は崩れない。むしろ、一つの波が終わっても、他の波に自然と乗り換えていける。仕事を「波」と捉え、次々と切り替えていく感覚がこれからの基準となる。

月3万円以上稼げたら「割って渡せ」

もう一つ、注目すべきポイントがある。たとえば月3万円を目標にしていた副業が月6万円や9万円に育ったとする。そのときに「よし、これで本業化だ」と一本化してしまうのではなく、その仕事を友人や知人に割ってシェアしていく。

これは単なる美学ではなく、「リスク分散」と「恩のネットワーク化」という、実利を兼ねた戦略だ。

自分一人で独占するのではなく、3人に分ければ3万円の仕事が3本生まれる。彼らもまた、何かのタイミングでこちらに何らかのリターンを返すことになる。

自分の職業を探すな、「必要とされる場所」を探せ

「自分に合う仕事は何か」と悩む人は多いが、それ自体が今や幻想に近い。むしろ、「誰が自分を必要としてくれるか」という視点で仕事を探した方が、はるかに現実的かつ生きやすい。

その際に重要なのが、「遅縁と血縁」だ。親、親戚、昔の友人、前職の上司など、すでに自分を知っている人に「自分は働きたい」「何か役に立ちたい」と伝える。さらにそれでも見つからなければ、自宅から半径500メートル以内で働け。自分の仕事ぶりが地域社会で直接伝わることが、結果として「信用の可視化」になる。

仕事はサーフィンだ 波に乗るために備えよ

今の時代、仕事は安定した地面ではない。来るかどうか分からない波を待つサーフィンに近い。1つの大波が来たときに、たまたま乗れることがある。だが、それに固執せず、次の小波、大波に備えて身軽にしておくことが重要だ。

1つに賭けず、50に分けろ。
3万円稼げたら、割って配れ。
自分に合う仕事を探すな、必要とされる場に身を置け。

それが、この不安定で予測不能な時代を生き抜く、たった一つの確かな働き方かもしれない。


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