商業施設向け催事企画書の構成案:現場で機能する実用フォーマット 「営業くささ」「抽象論」「御託」排除、現場で使える硬派資料

催事の導入を検討する施設側が、本当に知りたいのは「この催事は、うちの売上や来館にどう貢献するか?」という一点に尽きます。

その判断材料になるのは、抽象的なビジョンや長文の説明ではなく、ビジュアル・実績・安心感。
この記事では、商業施設担当者にとって“検討しやすい資料”を構築するための、成果直結型の構成案を紹介します。


表紙:0.5秒で内容が伝わるファーストビュー

ビジュアルは1点だけ。商品またはブース写真を大きく使用し、催事の雰囲気を一目で伝える構成にします。

加えて、催事名とサブコピー。
例:「クセになるのに、飽きがこない」

提案元企業名とロゴを配置すれば、必要最小限の情報が揃います。


販売実績:信頼を得るファーストインパクト

施設名と曜日別の売上実績を一覧で提示。
可能であれば、活気ある売場写真も添えて、言葉より数字と視覚で実力を示します。

説明よりも「数字+写真」。これが最も強力な信頼材料です。


商品ラインナップ:売れるイメージを視覚で伝える

アイテム写真をグリッドで並べ、価格と短いキャッチコピーを添えるだけ。
施設側は、「見て判断する」スピード感を求めているため、視覚優位な構成が理想です。

例:「辛すぎない、日常に使える味」など、購買動機を補う言葉が効きます。


ブース構成・運営体制:現場の安心材料を提示

実際の什器・設営状態・接客中の写真などを使い、導入時のイメージを具体化します。
加えて、運営体制(補充、衛生、撤収)を簡潔に記載することで、施設側の懸念を先回りして解消します。


来館動機と集客効果:施設の“導入メリット”を言語化

「動線上で自然に止まる」「目的買いと偶発買いの両方に対応」「手土産として活用される」など、施設が重視する指標を丁寧に示します。

にぎわいの写真や試食シーンがあると、より効果的です。


ブランド背景:差別化を生む補足情報

ブランドのルーツや素材のこだわりなど、厚みを与える要素はここで簡潔に紹介。
地図やロゴを添えることで、文章を読まなくても理解できる構成が望ましいです。


導入ステップ・確認事項:実務面のハードルを下げる

搬入日時、売場サイズ、什器寸法、運営方式、撤収体制などを具体的に記載。
「当方ですべて対応」と明記することで、施設担当者の負担を軽減します。

事前確認ポイント(電源や冷蔵庫の要否)も箇条書きで記載すると親切です。


問い合わせ先:すぐに動ける連絡導線を設計

営業担当の氏名・連絡先(電話・メール)に加えて、QRコードやSNS(LINEやInstagram)も記載。

資料を見て「検討します」で終わらないためには、即時アクションにつながる導線設計が重要です。


避けた方がいい要素

以下は、今回の構成ではあえて入れないことを推奨します。

  • 商業施設とはどんな場所かを説明するページ(例:交流の場・地域活性・体験の提供など)
     → こうした一般論は、施設担当者にとっては日常的すぎて、読む価値を感じてもらえません。
  • よくある「施設様のお悩みリスト」的な記載(例:催事のクレーム対応が大変/集客力が読めない/撤収時の混乱 など)
     → 一見、相手の立場に寄り添っているように見えますが、施設側からすると「何を今さら」「うちの課題をわかったような口で言わないでほしい」「営業トークだな」と受け取られるリスクがあります。
  • 長文のブランドストーリー(創業の想いや理念、背景などを数百字にわたって記載するパート)
     → 商業施設の担当者は、限られた時間で大量の資料に目を通しています。その中で、初対面のブランドに対して、いきなり長文を読もうとは思いません。
     本当に興味を持った場合は、ブランド名を検索するなど、あとから自主的に深掘りされます。
     つまり、資料におけるストーリーの役割は「詳細を読ませること」ではなく、「気になる存在にすること」。
     その目的には、1枚の写真と簡潔な一言の方が、よほど効果的な場合が多いのです。

この構成の特徴

  • 読ませず、見せて判断してもらう
  • 資料の9割は「写真と実績」で構成
  • 営業色を排し、実務に寄り添った構成
  • 判断に必要な要素だけを抽出し、短時間で結論が出せるように設計

催事企画書に求められるのは、“魅せる力”と“安心感”、そして“結果の予感”。
この構成案は、それを構造レベルで保証するための型です。

企画書そのものが、判断のストレスを減らし、導入を促す“営業ツール”ではなく、“判断支援ツール”になる。
そんな視点で作ると、現場で通用する資料に仕上がります。

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