肩書きは思っているより自由に名乗れる。
ただし、本当に意味を持つ肩書きは共通した構造を持っている。
単なる自称ではなく、外部制度と接続していることだ。
この違いを理解すると、肩書きの設計は一気に整理できる。
なぜ肩書きは「名乗るだけ」で成立するのか
多くの肩書きは法律で独占されていない。
作家
評論家
研究家
ブロガー
個人出版社主宰
こうした肩書きは資格試験がない。
その活動を実際にしていれば成立する。
電子書籍を出しているなら作家。
ブログを運営しているならブロガー。
個人出版レーベルを作っていれば出版社主宰。
利益が出ているかどうかは関係ない。
活動が存在するかどうかが本質になる。
ただし、ここで多くの人が違和感を持つ。
本当にそれでいいのか。
単なる自称ではないのか。
この疑問を解決するのが「外部証明」だ。
肩書きを強くするのは能力ではなく外部証明
肩書きが強く見えるかどうかは、実は能力では決まらない。
外部制度と接続しているかどうかで決まる。
外部機関が発行する番号
登録制度
行政の許可
こうしたものがあると、肩書きは単なる自称ではなくなる。
人は肩書きを見たとき、その人の能力を細かく評価しているわけではない。
制度との接続を無意識に見ている。
番号や登録があるだけで信頼感が跳ね上がる理由はここにある。
出版系の番号制度
出版分野は個人でも制度に接続しやすい。
ISBN
書籍の識別番号。
本を出版すれば取得できる。
この番号があると、単なる文章ではなく「出版物」として扱われる。
電子書籍でも取得可能で、作家や出版人という肩書きに実体が生まれる。
ISSN
雑誌や定期刊行物の番号。
個人メディアでも取得できるため、ウェブマガジンやニュースレターを運営する場合に使える。
ORCID
研究者識別番号。
世界共通の研究者IDで、誰でも登録できる。
研究活動をしている場合、研究者・研究家という肩書きと相性がいい。
ISNI
作家やクリエイターの識別番号。
著作者の国際IDのようなものだ。
知的財産の登録制度
肩書きの裏付けとして非常に強いのが知的財産。
商標登録
ブランド名やロゴを登録する制度。
登録番号が発行されるため、ブランド運営者という立場が明確になる。
ブランドオーナーという肩書きに実体が生まれる。
意匠登録
製品やデザインの形状を守る制度。
デザイン活動をしている人には実体のある裏付けになる。
特許・実用新案
技術やアイデアの登録制度。
発明や技術分野の活動と直結する。
行政許可・届出で成立する肩書き
行政に届け出ることで成立する肩書きも多い。
古物商許可
中古品売買の許可。
警察が発行する。
この許可があると、リユース事業者や古物商という肩書きに外形的な裏付けがつく。
探偵業届出
探偵業を営む場合の届出制度。
警察に届け出ることで営業できる。
軽貨物運送業
黒ナンバーと呼ばれる運送業の届出。
陸運局で登録する。
配送業や運送業として活動する根拠になる。
ドローン飛行許可
航空法に基づく飛行許可。
国土交通省の制度。
ドローン撮影や空撮の活動に制度的裏付けがつく。
講習だけで取得できる公的資格
短期間の講習で取得できる資格も多い。
食品衛生責任者
飲食店営業に必須の資格。
1日講習で取得できる。
防火管理者
消防法の講習資格。
店舗や施設運営に関わる。
救命講習
消防署が実施する応急処置講習。
普通救命講習や上級救命講習がある。
フォークリフト運転技能講習
物流や倉庫作業に必要な資格。
講習で取得できる。
刈払機取扱作業者
草刈機の安全講習。
農業や林業分野で使われる。
国家資格だが取得難易度が比較的低いもの
試験はあるが、受験資格がなく取得しやすいものもある。
アマチュア無線技士
無線通信の国家資格。
試験は比較的取りやすい。
危険物取扱者
ガソリンや化学物質を扱う資格。
乙種は受験資格がない。
第二種電気工事士
電気工事の国家資格。
一般受験可能。
小型船舶操縦士
船舶免許。
講習と試験で取得できる。
肩書きは「活動 → 制度 → 肩書き」の順で作る
肩書きを先に作ると空虚になる。
順番は逆だ。
活動
↓
制度との接続
↓
肩書き
例えば
電子書籍を出す
↓
ISBN取得
↓
作家
中古品を扱う
↓
古物商許可
↓
古物商
ブランドを作る
↓
商標登録
↓
ブランドオーナー
この順番で作られた肩書きは、自称ではなく説明になる。
肩書きの価値は「資格難易度」では決まらない
社会ではよく、難関資格ほど価値が高いと思われがちだ。
しかし肩書きの印象は、資格の難しさではなく制度との接続で決まる。
番号
登録
許可
この三つがあると、肩書きは単なる名乗りではなくなる。
活動と制度を結びつけたとき、肩書きは初めて意味を持つ。