「どうすれば成功者のマインドを持てるのか?」
多くの人が追い求めるこの問いに対して、苫米地英人氏が提唱するのは「エフィカシー(自己能力の自己評価)」の概念だ。この記事では、苫米地氏の講演・対談・指導内容をもとに、年収300万円からでも“億”を狙える精神構造の作り方、そして脳が現実を変え始める仕組みについて解説する。
日本人が気づいていない「金持ち国家」という現実
「日本人はすでに世界トップクラスの経済圏にいる」
この事実に多くの人は無自覚だ。年収300万円と聞くと少なく感じるかもしれないが、インドなどの発展途上国から見ればそれは圧倒的な富である。経済的にはGDP世界3位。つまり、「お金持ちになる」というゴールは、日本という国にいる限り、極めて現実的な射程距離にある。
問題は、外部環境ではない。自分自身の「エフィカシー」の設定にこそある。
エフィカシーとは何か?
エフィカシーとは、「自分はゴールを達成することができる人間だ」と心の底から信じている自己評価のこと。過去の実績や現在の状況には依存しない。むしろ、「現状の外側」にある理想に対して、何の根拠もなく確信を持てるかが重要だ。
ゴールに対して「今のままの自分では無理だが、それでも必ず達成する」と思える人は、無意識がクリエイティブに働き始め、あらゆる方法を探し出して現実を変えていく。
コンフォートゾーンをズラす勇気
人は無意識に「居心地の良い世界=コンフォートゾーン」を守ろうとする。しかし、年収300万円の現実を「これが妥当」と感じている限り、そこから抜け出すことはできない。
ラグジュアリーな空間、高額なスーツ、高級な酒。そういった“場違いな空間”に飛び込んだ時、人は猛烈にコンフォートゾーンをかき乱される。その不快感こそがチャンスだ。苫米地氏は言う。「その瞬間、人はクリエイティブになる」と。
アファメーションで臨場感を変える
エフィカシーを高めるための具体的な技法が「アファメーション」だ。
やり方はシンプルで、以下の要素を含めた文章を毎日唱えるだけ。
- 一人称(私は)
- 現在進行形(〜している)
- 肯定文(〜できない、ではなく〜できている)
- 感情を含む(嬉しい、楽しい、誇らしい)
- ゴールの世界を描写する(物理空間ではなく、未来の理想の自分)
例: 私はIMFで働き、世界中のエリート官僚たちの尊敬を集めている。毎日が充実していて、世界平和のために全力で働く日々を誇りに思う。
このように言葉で臨場感を上げることで、脳はその未来を「今ここにあるべき現実」と認識し始める。
なぜゴールは「人に言ってはいけない」のか?
ドリームキラーという言葉を聞いたことがあるだろうか。あなたの可能性を否定し、現実的なアドバイスの名のもとに夢を潰す存在。それは、親や教師など“身近で善意のある人”であることが多い。
だからこそ、ゴールは他人に語るべきではない。語った瞬間、それは「ハーフトゥ(やらねばならないこと)」に変質する。本来の「本当にやりたいこと(ウォントゥ)」からズレてしまうのだ。
唯一例外なのが、プロのコーチ。彼らはあなたのエフィカシーを引き上げる技術を持つ。だからこそ、安心してゴールを共有できる。
現状に不満を感じろ。そこからがスタートだ
臨場感が高まるほど、現状に対する不満が湧き上がってくる。「なぜオレの財布に200万円が入っていないんだ」「なぜ2000万円のロレックスが腕にないんだ」──それでいい。
その違和感が、脳をクリエイティブに働かせる起点となる。そしてその不満は、いずれ現実を変える原動力になる。
自分が変われば、周囲も変わる
苫米地氏は「集合的エフィカシー」という概念を提示する。自分だけでなく、周囲の人のエフィカシーを引き上げることができれば、自分の臨場感空間も変化する。
自分がまずエフィカシーの高い存在となり、その影響を周囲に広げる。その結果、職場や家庭、友人関係までもがドリームサポーターに変わっていく。
まとめ:成功は「思考」の操作から始まる
- ゴールは現状の外側に置く
- エフィカシーは実績ではなく確信から始まる
- 臨場感は「心がリアルと感じる世界」に支配されている
- アファメーションは臨場感空間を書き換える鍵
- ゴールは他人に言わない(ドリームキラーから守る)
- 成功者のマインドとは、先に脳内に“未来”を住まわせること
ゴールを描き、確信し、語り、感じる。それが、脳のスイッチを入れるトリガーになる。
そして、あなたの無意識が働き出す。誰にも止められないスピードで、未来へ。